上海通信Shanghai Report

高桥古镇

2024年03月19日

こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。

3月も半ばを過ぎまして、上海は三寒四温、20℃を超えるような温かい日もあれば、気温が急に一桁になったりもしますが、春が少しずつ近づいています。

さて、浦東の北の一番先っちょあたりに、外高橋保税区というエリアがあります。中国初の自由貿易試験区保税エリアでして、これまで長江デルタ経済圏の発展に重要な役割を果たしてきたし、いまでも対外物流の重要な拠点であり、越境貿易なんかにもなくてはならないエリアです。

高橋鎮が形成されたのは明代から清代にいかけてといわれています。長江から流れてくる土砂で、高橋周辺は絶えず地形が変化してきていますが、その昔は、豊かな水産資源から、ウナギやスズキ、コイ、小エビなどの水産物が豊富に捕れたらしいです。また、1920年代になると、イギリス商人やアメリカ商人により高橋沿岸に石油タンクが作られ、工業地としても発展、1960年代には中国の石油コンビナートの中心地としてさらに大きく発展します。そして、1990年代には外高橋保税区、外高橋港区が設立され、上海発展の象徴のひとつとなるのです。

上海市内にはいくつかの町並み保存地区が指定されていますが、この高橋鎮もそのひとつで、「浦東新区高橋古鎮歴史文化風貌区」に指定されています。そのため、清代から民国時代の建築物が多く保存されていて、そのほとんどが、保存というよりも一般市民がまだ居住しています。現在、高橋は上海市の「一城九鎮」政策の元で、新しい都市計画が進められていて、外高橋保税区以外にも、三岔港生態区、高橋都市農業区、高橋石油化学精細加工産業区などのエリアにわけられ、それぞれの機能にあった整備が行われています。

この日は、20℃を超えるような初夏の気候になりまして、談笑する年配の方々、座って読書する若者、観光散策するグループに同化しながら、水路沿いをのんびり散策します。石畳と西洋風の建造物など街並みは、中国というよりも一瞬ヨーロッパの田舎町のような景色にも見えます。古镇の中心である万寿广场は多くの人で賑わっていて、万寿桥という西欧風の眼鏡橋が印象的です。老街といわれるエリア(东街と西街があります)は面積210ヘクタールほどの小さな街なので、2時間もあればかなり隅々まで参観できますし、その中には高橋歴史文化陳列館、太極拳館、上海江東書院、高橋人家陳列館など文化施設も充実してます。そのほか、小吃店では松饼とか売っていて、ほっこり幸せな気分になれます。

地下鉄6号線外高橋保税区北駅下車すぐのロケーションでして、交通の便はそこまで悪いわけではありませんが、市街地からは地下鉄で1時間ほどかかりまして、ここも上海なのか?と思うほど郊外、地方感満載の雰囲気なので、中国を感じる週末のプチ旅行にはぴったりです。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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