上海通信Shanghai Report

沙面~広州の英仏租界地

2023年05月16日

こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。

今回は、広東省の首都広州からのレポートです。季節は初夏というよりは、むしろ真夏な感じ。上海に比べると、さらに湿気がきつくて、息苦しいほど、ものすごい勢いで体力を消耗します(笑)。

さて、広州地下鉄6号線の文化公园駅と黄沙駅の間あたりに、旧広州城外西関の南方、珠江に面する岸の一部を、運河開削を通じて陸から切り離した沙面岛という人工島があります。

かつて島の西部をイギリスが、東部をフランスが租界に設定しており、列強国の領事館や企業が多数進出していました。現在、沙面島にはユーロッパ風の建物が150箇所以上残され、広州で最も異国風に満ちた建築群です。ここでは木がうっそうとしており、街燈、彫刻、東屋、花壇、木製の椅子、噴水池等はすべて西洋風でのものです。島の緑化はよく、空気もすがすがしく、まるで広州の桃源郷のようです。

沙面の生活スタイルやリズムは広州のほかの所と違い、島には交通規制が実施されているため、交通渋滞、大気汚染など問題はありません。道の両側には喫茶店、レストラン、バーが多くあり、歩道街には上品なテーブルがいっぱい並んであり、多くの若者が結婚記念写真を撮るのに大人気です。洋館を改造したスターバックスなんかもあります。

また、この島の中には古くから白天鹅(White Swan Hotel)という高級ホテルがありまして、その中に80年代~90年代前半頃、広州に1軒しかなかった日本料理屋が”ひらた”さんでした(いまはもうないみたいです)。当時まだ数十人しかいなかった日本人駐在員は、この店にわざわざタクシーで日本食を食べにやってきたのです。

広州旧市街地、繁華街、オフィス街、他の景勝地とはまた違った広州を感じることができる場所ですので、時間があれば、ぜひ立ち寄って、散策などしてみてください。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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