上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第67回「直播」

2023年10月28日


GraphicDesign:Liya

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、直播(zhi2 bo1)、日本語的発音”づーぼー”で、意味はライブコマースです。

もともとECビジネスが日本よりも進んでいる中国では、コロナ禍、巣ごもり需要を契機に、大きく直播市場が拡大し、2018年0.12兆元であったものが、2023年には4.92兆元にまで拡大すると予想されています。

中国のライブコマースは2015年頃に始まったと言われていますが、その後急激にライブコマースが拡大した理由として、ものすごい勢いでEC市場が拡大するなかで、あまりにも多彩な商品があふれかえり、その中から信頼できる商品を求める消費者行動としてKOL(Key Opinion Leader)いわゆるインフルエンサーによる商品紹介が、人気を獲得したことが考えられます。

中国の直播出演者には、インフルエンサーや芸能人のほか、農民、企業家、さらに、貧困撲滅担当の地方政府関係者もいますが、その中でも、5分間で1万5000本の口紅を販売した記録を作り、「口紅王子」として知られる李佳琦(りーじゃちぃ)さんが有名です。いまでは、化粧品にみならず、多くの商品カテゴリーで、彼のカリスマ性に頼る商品も多くあります。”中国版ジャパネットタカタ”だと思って頂ければイメージできるのではないでしょうか(笑)。

このように、急速に拡大する中国のEC市場、そしてライブコマースマーケティングですが、そのビジネスモデルには日系企業に馴染まない要素も多くあります。たとえば、販売量は上がるけど安売りで利益がでないとか、その結果としてブランド棄損が起こるとか、また麻薬みたいなもので一度カリスマインフルエンサーを起用してしまったらやめられなくなる、などなどです。

コロナ禍、日本企業の業績が停滞するなかで、中国のECマーケットに過度に期待する傾向が見られましたが、一方でそういった負の遺産もあり、コロナ禍が終息した現在、戦略を見直す企業も出てきています。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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