上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第42回「北上广」

2023年05月07日

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、北上广(bei3 shang4 guang3)、日本語的発音”べいしゃんぐあん”で、意味は北京と上海と広州(の3大都市)です。

中国の都市は、一线城市(1級都市)+新一线城市(1.5級都市)~五线城市(5級都市)まで6段階にレベル分けされています。

1級都市は不動の4大都市と言われる、首都の北京市、商業の街上海市、それに従来イギリス領国際都市香港をバックに改革開放以来この30年間で目覚ましい経済発展を遂げた広東省の2大都市広州市と深圳市です。

そのあとに新1級都市(1.5級都市)と言われる都市が15都市あります。北京の海の玄関口天津、内陸の巨大マーケット四川省の2大都市である重慶市と成都市、コロナで一躍有名になった武漢市、アリババの街杭州市、ビールで有名な北の沿海都市青島市などです。

その下に2級都市が30都市、3級都市が70都市、4級都市が90都市、5級都市が128都市あります。

さて、日系企業の販売エリアとエリアマーケティングにはいくつかパターンがありまして、例えば、1~5級都市レベルまで全国を対象としているパターン、3大都市あるいは1級都市をメインとしているパターン、上海を中心とした華東エリア(長江デルタ)だけをマーケットとしているパターンなどです。中国は国土がとても広いので、ECが発達しているとはいえ、販売体制や物流オペレーションなどを考えると全国を対象とするには相当な資源の投入が必要となり、資金力のある大企業しか対応できていないのが現状です。

一方、北京、上海、広州の三大都市を中心とした1級都市だけでもすでに日本の人口の半分くらいにはなります。また、東京の約2倍の人口を抱える上海だけでもビジネスは十分に成り立ちますし、さらには、上海に江蘇省と浙江省を加えた長江デルタ経済圏のGDPはフランス1国に相当しますので、無理に全国にマーケットを広げなくても十分にビジネスが可能なわけです。

周知の通り、正解はありませんが、各企業様におかれましては、販売体制のほか、商品特性や物流事情、広告宣伝や販促プロモーションなど個別の諸事情を考慮したエリア戦略を考えていくのがよいのではないでしょううか。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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