上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第14回「国潮」

2022年10月15日

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、国潮(guo2 chao2)です。
日本語表現”ぐおちゃお”で、一般的に中国人デザイナーによって作られた新しいトレンドブランド、中国文化、中国テクノロジーを表す言葉で、いまZ世代を中心にブームになっています。

「国潮」という新語には、諸説ありまして、「国風潮流」(中国風のトレンド)の略語という説もあれば、「中国潮牌」(中国のお洒落ブランド)の略語という説もあります。
いずれにしても、中国伝統文化の要素と現代のトレンドを融合したスタイルのことを指しており、現在ではアパレルや化粧品、飲食品などの商品デザインから、音楽やドラマ・映画などのエンタメ・カルチャーでの表現まで幅広いジャンルにおいて取り入れられています。

当然もともとはなかった言葉ですが、ルーツをたどるとその昔「国货」という言葉に由来があるのではないかと推察します。

2018年の新年、中国のスポーツブランド「李寧(LI-NING)」は、ニューヨークファッションウィークのショーに出演し、「中国李寧」の漢字がプリントされたデザインで、モデルがランウェイを歩きました。
そこで使用された衣装は国内外のファッション界で話題となり、このことをきっかけにして、2018年が「国潮元年」とも呼ばれるようになりました。

難しい話をしましたが、要するに、ちょっと前までは、ブランドの知名度やイメージ、そして何よりも技術力やクオリティにおいて、外国製品に凌駕されていた中国が、徐々に力をつけてきて、品質的に世界に追いつてきたとことによって生まれた言葉であることは疑いの余地はありません。
中国人の「オレたちの国のブランドのほうが凄いんだぜっ」という自信の表れを象徴する言葉なのです。

1990年代で時間がフリーズしている日本にいると、Japan as No1、まだまだ日本ブランド、日本製品、日本技術が世界トップクラスだと思っている日本人もたくさんいるかもしれませんが、世界は全然そんなことはないわけです。

使用例:最近Z世代流行“国潮”(zui4 jin4 Z shi4 dai4 liu2 xing2 guo2 chao2)=最近はZ世代で国潮ブームです。

**************************************
文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士
課程修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
**************************************