上海通信Shanghai Report

【C-Trend Watch】~中国的咖啡厅Manner Coffee

2022年10月25日

こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。

”上海のトレンドを追う”をテーマに、不定期に配信する「C-Trend Watch」です。

今回ご紹介するのは、2015年に上海で創業した、おしゃれなコーヒーショップチェーンManner Coffeeです。

Manner Coffeeは、スペシャルティコーヒーを低価格で提供するコーヒーショップで、先に一世を風靡したLuckin Coffee同様、モバイルアプリの活用や小規模店舗の出店でコストを節減し、経営の効率化へと取り組んでいるといったビジネスモデルです。
ただ、テイクアウト型のビジネスモデルのLuckin Coffeeに対して、Manner Coffeeはおしゃれな場所にクリエイティブでデザイン性の高い、若者受けするカフェ型店舗を構えるのが特徴です。

簡単に、中国におけるコーヒー文化についてお話したいと思います。いまでは、中国人の若い人は言います「中国人はみんなコーヒー好きですから、、、云々」。え?そうなんだ、と時代の大きな変化に驚くのです。
そもそも中国はお茶文化ですので、紅茶は昔から飲みますが、1990年代前半にワタシが中国に最初にやってきたときは、そもそも中国人は「あんなまずい飲み物なんか飲めないよ」とコーヒーのことを評していました。なので、2000年代になりかなり経済発展した段階になっても、上海市内でコーヒーが飲める場所はかなり限られていました。高級ホテルのラウンジ、欧米人が開いたカフェ、あとは上海市内に5〜10店舗あった台湾系コーヒーチェーンの「真鍋珈琲」と「上島珈琲」ぐらいでした。

時は流れて、中国のコーヒー市場が本格的にブレイクするのは2005年ごろから上海市中心部の高級オフィスビルやショッピングモール内に、やはり「スターバックス」が出店攻勢を仕掛けたことに端を発します。
上海人がスタバに通い始めたのは2010年ごろからで、最初、いつも手にしていたのは砂糖たっぷり、生クリームたっぷりなフラペチーノ。そうなんです、フラペチーノこそが今日の中国巨大コーヒー市場が形成される最初のキッカケだったのです。

その後のスタバの発展、成功は周知の通りだし、民族系、外資系入り乱れて一大マーケットを築いているのが現状です。

最後に、私がManner Coffeeのショップで上海イチお洒落ではないかと思っているのが、黄浦江沿いのWest Bundにある店舗です。3階建てになっていて、屋上からの眺めとアウトサイド席の開放感は格別です。休日ともなると、若者や家族連れで、いつもめっちゃ混んでいます。後発ながら上海発民族系コーヒーチェーンの成功の象徴だと思うのです。上海にお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください。

**************************************
文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士
課程修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
**************************************